1歳を過ぎたころから、寝かしつけの悩みが少しずつ形を変えていきます。歩けるようになって布団から逃げ出す、2歳になると「まだ遊ぶ!」と主張する、3歳では「お話もう1回」が終わらない。年齢が上がるほどラクになると思っていたのに、別の大変さが出てきて戸惑う方も多いのではないでしょうか。
こんなことで困っていませんか?
- 1歳になって、布団の上を歩き回ってなかなか横にならない
- 2歳になって「ねんねしない!」とイヤイヤが始まった
- 3歳になって、絵本やお話を何度もせがまれて終わらない
- 昼寝をすると夜が遅くなり、しないと夕方に機嫌が悪くなる
- 職場復帰後、寝かしつけに使える時間がもっと減りそうで不安
保育士として10年以上、たくさんの子どもたちのお昼寝に付き添ってきましたが、寝かしつけの悩みは「その年齢らしい成長」の裏返しであることがほとんどです。1歳には1歳の、2歳には2歳の眠りにくさがあります。うまくいかないのは、ママの寝かしつけが下手だからではありません。年齢に合ったやり方に少し変えるだけで、夜がぐっとラクになることがあります。
寝かしつけが年齢で変わるのはなぜ?
1〜3歳は、体も心も大きく育つ時期です。体力がつき、言葉が増え、「自分でやりたい」という気持ちが育ちます。そのぶん、0歳のころと同じ寝かしつけでは合わなくなってくるのは自然なことです。
まずは年齢ごとの特徴をざっくり見てみましょう。あくまで一般的な目安で、個人差はとても大きいので「うちの子はまだ」「もう早い」と比べすぎなくて大丈夫です。
| 年齢 | 眠りまわりの特徴 | 寝かしつけのポイント |
|---|---|---|
| 1歳 | 歩けるようになり体力がつく。昼寝が2回から1回に移っていく時期 | 日中しっかり体を動かす。眠る流れを毎日同じにする |
| 2歳 | 自我が育ち「イヤ」「まだ遊ぶ」が増える。昼寝は1回が多い | 選ばせて納得してもらう。予告して切り替えを助ける |
| 3歳 | 言葉で気持ちを伝えられる。昼寝が短くなる・しない日も出てくる | 終わりの約束を決める。昼寝の長さを調整する |
寝かしつけ1歳:動き回る時期は「昼の過ごし方」と「同じ流れ」
布団の上で遊んでしまうのは、体力がついた証拠
1歳ごろは、歩くことそのものが楽しくてたまらない時期です。布団の上を歩き回ったり、ママの上に乗ってきたりするのは、まだ体力が余っているサインのことも。無理に押さえて寝かせようとすると、かえって目がさえてしまいます。
保育園では、午前中に外遊びや体を使う遊びをしっかり取り入れることが多いです。お休みの日は、午前中に公園やお散歩で外の光を浴びて体を動かすだけでも、夜の眠りにつながりやすくなります。お金をかけなくても、近所を歩くだけで十分です。
「ねんねの流れ」を毎日同じにする
1歳の子は、言葉での説明より「いつもの流れ」で次にすることを理解します。たとえば「お風呂→パジャマ→歯みがき→絵本1冊→電気を消す」のように、順番を毎日そろえてみてください。流れが体にしみこむと、絵本を読み終えるころには「次はねんねだな」と気持ちが切り替わりやすくなります。
せんせい
保育園のお昼寝も、毎日ほぼ同じ順番で準備をします。「この音楽が流れたら」「カーテンを閉めたら」がお昼寝の合図になっている子も多いんですよ。おうちでも合図をひとつ決めておくと助けになります。
昼寝が1回になる移行期は、夜が早めでもOK
1歳台は、昼寝が2回から1回に移っていく子が多い時期です。移行期は、朝寝をすると夕方まで持たず、しないとお昼前に眠くなってしまう…と揺れやすくなります。そんな日は、お昼ごはんを少し早めにして昼寝につなげたり、夜の就寝を早めにしたりして調整してみてください。
寝かしつけ2歳:イヤイヤ期は「選ばせる」と「予告」で切り替え上手に
「ねんねしない!」は、自分で決めたい気持ち
2歳ごろは、何でも「自分で決めたい」気持ちが強くなります。「もう寝るよ」と言われると、眠くても「イヤ!」と返したくなるのは、この時期の自然な姿です。わがままや反抗というより、自分の気持ちを大事にしたい成長の一歩と受け止めてあげてください。
そこで役に立つのが、小さな「選択肢」です。「パジャマはくまさんとうさぎさん、どっちにする?」「絵本はどれにする?」と、寝ることは決まったまま中身を選んでもらいます。自分で選べると満足して、次の行動に移りやすくなります。
「あと〇回」「時計の針が〇になったら」で予告する
遊びを急に終わらせると、気持ちが追いつかずに大泣きしてしまうことがあります。「あと1回すべり台したらお風呂ね」「長い針が6になったらお片付けしよう」のように、少し前から予告しておくと、心の準備ができます。時計がまだ読めなくても、「針がここに来たら」と一緒に見るだけで十分です。
せんせい
2歳さんのクラスでは、「次は〇〇だよ」の予告を本当によく使います。大人でも、急に「はい終わり」と言われたらいやですよね。ひと言前置きするだけで、泣いて切り替える回数が減ることが多いんです。
寝る前のテレビや動画は、少し早めにおしまい
明るい画面や動きの速い映像は、気持ちを高ぶらせやすいものです。寝る前のひとときは、部屋の明かりを少し落として、絵本や静かな遊びに切り替えてみてください。照明を暖かい色の小さな明かりにするだけでも、眠りに向かう雰囲気がつくれます。
寝かしつけ3歳:おしゃべりが増えたら「終わりの約束」を
「もう1冊」「もう1回お話」が止まらないとき
3歳になると、言葉でのやりとりがぐんと楽しくなります。寝る前にママとゆっくり話せる時間は、子どもにとって特別なひととき。だからこそ「もう1冊」「もう1回」が続いてしまいます。
おすすめは、始める前に「絵本は2冊までね」「お話を1つしたら目をつぶろうね」と約束しておくことです。終わったら「約束どおりできたね」と認めて、そのあとは静かに背中をトントンするなど、言葉を少なくして眠りの時間に入っていきます。
昼寝が長すぎると夜に響くことも
3歳ごろは、昼寝が短くなったり、しない日が出てきたりする子もいます。夜になかなか眠れない日が続くなら、昼寝の時間を少し短めにする、遅い時間の昼寝を避けるなど、昼寝の取り方を見直してみるのも一つの方法です。保育園に通っている場合は、園でのお昼寝の様子を先生に聞いてみると、ヒントが見つかることもあります。
せんせい
「夜なかなか寝なくて…」というご相談は、園の先生にも気軽にしてくださいね。保育士は、お昼寝の時間や様子を家庭と共有して、1日の生活リズムを一緒に整えることを大切にしています。
どの年齢にも共通する、寝る前の安全ポイント
年齢に関係なく、寝る前に気をつけたいこともあります。
- 飴やグミなどを口に入れたまま横にならない。食べ物はのどに詰まらせないよう、寝る直前は控えめに
- 布団のまわりに、小さなおもちゃやひも状のものを置かない
- ベッドで寝る場合は、落ちないよう柵やまわりの環境を確認する
- 歯みがきは寝る前に。歯ブラシをくわえたまま歩き回らないよう、座って行う
また、大きないびきが毎晩続く、眠っているときに呼吸が止まっているように見える、夜中に何度も激しく泣いて起きる日が長く続く、といった様子が気になるときは、かかりつけの小児科や園に相談してみてください。
そして、寝かしつけが毎晩つらく、ママ自身が眠れない・気持ちが落ち込む日が続くときは、一人で抱え込まないでください。地域の保健センターや自治体の子育て相談窓口でも話を聞いてもらえます。
まとめ:まずはこれだけ試してみて
寝かしつけの悩みは、年齢とともに形を変えていきます。それは、子どもが体も心もしっかり育っている証拠でもあります。1歳は体を動かして同じ流れで、2歳は選ばせて予告して、3歳は終わりの約束を。年齢に合わせて、やり方を少しずつ変えていけば大丈夫です。
まずはこの3つから
- お風呂から布団までの「ねんねの流れ」を毎日同じにする
- 「あと〇回ね」と予告して、自分で選べる場面をつくる
- 絵本やお話は、始める前に「〇冊まで」と約束する
がまんしすぎず、できる日もできない日もあって大丈夫。寝かしつけがうまくいかない夜があっても、ママのせいではありません。少しでもラクになる方法を、今夜から一つだけ試してみてくださいね。
