スプーンでごはんをぐちゃぐちゃにする、コップのお茶をわざとこぼす、床に食べ物を落としてにこにこしている。せっかく作ったごはんで遊ばれると、がっかりしますし、毎食の片付けにも疲れてしまいますよね。
こんなことで困っていませんか?
- 食べ物を投げたり、ぐちゃぐちゃにしたりする
- 少し食べるとすぐに飽きて、立ち歩く
- 毎食、床や服の片付けが大変
- 叱っていいのか、放っておいていいのか分からない
保育士として10年以上、保育園でたくさんの子どもたちの食事に関わってきました。最初にお伝えしたいのは、遊び食べは成長の一部で、多くの子は時期が来ると落ち着いていくということです。
この記事では、遊び食べがいつまで続くのかの目安と原因、保育園でやっている工夫、片付けをラクにするグッズを紹介します。
遊び食べはいつまで?1歳・2歳・3歳の目安
遊び食べが目立つのは、1歳前後から2歳ごろです。年齢によって、遊び食べの理由も少しずつ変わります。
| 年齢 | よくある様子 | この時期の理由 |
|---|---|---|
| 1歳ごろ | 手づかみでつぶす、落とす、コップをひっくり返す | 触って、食べ物がどんな物かを確かめている |
| 2歳ごろ | 少し食べると遊び始める、気分で食べない | 「自分でやりたい」「今は食べたくない」という気持ちが出てくる |
| 3歳ごろ | 少しずつ落ち着いてくる | 食事のルールが分かり、食べることに集中できるようになる |
ただし、個人差はとても大きいです。3歳を過ぎても遊ぶ子もいれば、ほとんど遊び食べをしない子もいます。「何歳までに終わらないといけない」と考えすぎなくて大丈夫です。
遊び食べは成長のサイン。叱らなくて大丈夫な理由
大人から見ると「遊んでいる」ように見えますが、子どもにとっては、触ってつぶして、落として、食べ物について学んでいる時間でもあります。やわらかい、ぬるぬるする、落とすと転がる。手や口で確かめることで、食べることへの興味が育っていきます。
強く叱ると、食事の時間そのものが嫌な時間になってしまうこともあります。危ないことや、人に向かって投げることは短く「やめようね」と伝えつつ、それ以外はおおらかに見守るくらいでちょうどいいですよ。
遊び食べの主な原因
- おなかがすいていない:おやつや授乳・ミルクの時間が近いと、遊びに気持ちが向きやすい
- 眠い、疲れている:保育園から帰った夕方は、特に集中が続きにくい
- 食事に集中できない:テレビがついている、おもちゃが目に入る
- 同じ食感や味に飽きている:いつも同じような物だと、食べることより遊ぶことに興味が移る
- 自分で食べたい:食べさせてもらうより、自分の手で食べたい気持ちが強くなっている
保育士が園でやっている5つの工夫
保育園では、たくさんの子どもが一緒に食事をします。遊び食べをする子もいる中で、園で取り入れている工夫を紹介します。家でもそのまま使えるものばかりです。
1. 食感を変えて、飽きさせない
保育士としていちばんおすすめしたいのがこれです。遊び食べを始めた子も、食感を変えると、また食べ始めることがよくあります。
たとえば、やわらかく煮た野菜ばかりなら、少し歯ごたえのある物を加える。おかゆやごはんに飽きてきたら、おにぎりやパンにしてみる。同じ食材でも、つぶす、刻む、スティック状にする、焼いて表面をカリッとさせるなど、形や食感に変化をつけると、子どもの興味がまた食べ物に戻ってきます。
子どもは、大人が思うより早く飽きてしまいます。献立をがらっと変えなくても、切り方や焼き方を少し変えるだけで、食いつきが変わりますよ。
なお、食感を変えるときは、年齢に合ったかたさや大きさにしてください。ミニトマトやぶどうのような丸くてつるっとした物は、のどに詰まらないよう小さく切るなど、安全には十分に気をつけましょう。
2. 食事の時間を区切る
ダラダラと食べ続けると、遊ぶ時間も長くなります。食事はおおよそ20〜30分を目安に区切り、時間が来たら「おしまいにしようね」と終わりにします。
3. 食事に集中できる環境をつくる
テレビを消して、おもちゃは目に入らない場所に片付けます。足が床や足置きにしっかりつく椅子に座ると、体が安定して、食べることに集中しやすくなります。
4. 量は少なめに盛る
お皿にたくさん盛ると、食べきれずに遊んでしまいやすくなります。少なめに盛って、「全部食べられたね」を経験させてあげると、食事が楽しい時間になります。足りなければ、おかわりで足せば大丈夫です。
5. 食べたことを、たくさんほめる
遊んだことを叱るより、食べたことをほめる方が、子どもの行動は変わりやすいです。「もぐもぐ上手だね」「お口に入れられたね」と、食べた瞬間を見逃さずに声をかけてあげてください。
遊び食べをやめさせるには?家でできる対処法
遊び始めたら「ごちそうさま」の合図に
しばらく見守っても遊びが続くときは、おなかがいっぱいになっているサインかもしれません。「もうおしまいかな?」と声をかけて、食事を切り上げても大丈夫です。1食で食べる量が少なくても、1日や数日単位で見て食べられていれば、心配しすぎなくて大丈夫です。
手づかみしやすいメニューを用意する
「自分で食べたい」気持ちが強い時期は、手づかみで食べやすいメニューにすると、遊びより食べることに気持ちが向きやすくなります。
- 小さめのおにぎり、スティック状のパン
- 野菜スティック(やわらかくゆでた物)
- おやき、野菜入りの蒸しパン
- 小さく丸めたハンバーグや肉だんご
同じおにぎりでも、ふりかけを混ぜる、焼きおにぎりにするなど、食感や見た目を変えると、飽きずに食べてくれることが多いですよ。
食べこぼし対策に。片付けをラクにするグッズ
遊び食べの時期は、片付けとの戦いです。わが家で使ってよかったグッズを紹介します。
いちばんのおすすめは、シリコンのお食事エプロン
わが家で使った中で、いちばんおすすめなのはシリコン製のお食事エプロンです。下にポケットがついているタイプなら、こぼした食べ物をポケットで受け止めてくれるので、床や服に落ちる量がぐっと減ります。
食べこぼしマットも、あると片付けがラク
椅子の下に食べこぼしマットを敷いておくのもおすすめです。食後はマットをさっと拭くか洗うだけなので、床を毎回掃除する手間が減ります。
片付けがラクになると、子どもの遊び食べにも少しおおらかになれます。グッズに頼るのも、がまんしない子育ての大切な工夫です。
まとめ:まずはこれだけ試してみて
遊び食べは、子どもが食べ物に興味を持ち、自分で食べようとしている成長のサインです。ママのしつけが悪いわけではありません。
まずはこの3つから
- 食感や形を変えて、飽きさせない
- 食事は20〜30分で区切り、遊び始めたら切り上げる
- シリコンのエプロンと食べこぼしマットで、片付けをラクにする
毎食完璧に食べさせようとせず、がまんしすぎず、親子で楽しく食卓を囲める工夫から始めてみてください。
