「イヤ!」「自分で!」「やらない!」。一日に何十回も聞くと、どんなにやさしいママでも心がすり減ってしまいますよね。イヤイヤ期は子どもの成長の証とわかっていても、イライラしたり、もう疲れたと感じたりするのは自然なことです。
こんなことで困っていませんか?
- 何を言っても「イヤ」で、朝の支度が毎日バトルになる
- イヤイヤ期の子にイライラして、つい大きな声を出してしまう
- 泣いて寝転ぶ姿を見るたびに「もう疲れた」と感じる
- 保育園ではいい子なのに、家だとひどくなる気がする
- どんな声かけをすればいいのかわからない
保育士として10年以上、たくさんのイヤイヤ期の子どもたちと過ごしてきて伝えたいのは、「イライラしてしまうママが悪いわけではない」ということです。イヤイヤ期は、子どもが自分の気持ちを持ち始めたからこそ起こるもの。ママの育て方のせいではありません。この記事では、保育園でよく使っている声かけのコツと、お金をかけずにできるママの休み方を順番にお伝えします。
イヤイヤ期にイライラするのは当たり前
イヤイヤ期はなぜ起こるの?
イヤイヤ期は、一般的に1歳半ごろから3歳ごろにかけて見られることが多い時期です。「自分でやりたい」という気持ちが育つ一方で、言葉や体はまだ思い通りに動きません。やりたいのにできない、伝えたいのに言葉にならない。そのもどかしさが「イヤ!」という形で出てくるのです。
つまり、イヤイヤは「困らせよう」としているのではなく、子どもなりに気持ちを表している姿です。始まる時期や強さには個人差が大きく、早い子も、ほとんど目立たない子もいます。
ママが疲れたと感じるのは自然なこと
毎日くり返されるやりとりに、イライラしたり、疲れたと感じたりするのはとても自然な反応です。特に、仕事復帰を控えていたり、家事や睡眠不足が重なっていたりすると、心の余裕はどうしても少なくなります。
「イライラする自分はダメな親だ」と責める必要はありません。大切なのは、イライラをゼロにすることではなく、少しでもラクになる工夫を知っておくことです。
保育士も、毎日たくさんの「イヤ!」と向き合っています。それでも落ち着いていられるのは、交代できる仲間がいて、一人で抱えていないからなんです。家では一人で向き合う時間が長いぶん、疲れて当然ですよ。
保育園でよく使うイヤイヤ期の声かけ
保育園では、イヤイヤを無理にやめさせるよりも、子どもが自分で気持ちを切り替えられるような声かけを大切にしていることが多いです。家でも取り入れやすいものを紹介します。
まずは気持ちを言葉にしてあげる
「まだ遊びたかったんだね」「自分でやりたかったんだね」と、子どもの気持ちを代わりに言葉にしてあげます。気持ちを受け止めることは、何でも言うことを聞くこととは違います。「気持ちはわかったよ。でも今はお家に帰る時間だよ」と、受け止めたあとに伝えれば大丈夫です。
「どっちにする?」と選ばせる
「お着替えしよう」だと「イヤ!」になりやすくても、「青いシャツと黄色いシャツ、どっちにする?」と聞くと、自分で選べたことに満足して動けることがあります。自分で決めたい時期だからこそ、小さな選択を任せるのがコツです。
声かけの言いかえ例
| ついい言いがちな言葉 | 言いかえの例 |
|---|---|
| 早くして! | 時計の長い針が6になったら出発しようね |
| 走っちゃダメ! | ここはゆっくり歩こうね |
| なんでできないの? | ここまでできたね。ここだけ手伝おうか |
| 泣かないの! | 悲しかったね。落ち着いたらお話ししよう |
| お片づけしなさい | ブロックさんをおうちに帰してあげよう |
「〜しちゃダメ」より「〜しようね」と、してほしいことをそのまま伝えると、子どもには伝わりやすくなります。
泣いて寝転んだときは安全を確保して待つ
大泣きして寝転んでしまったときは、説得しようとしても言葉が届きにくい状態です。まずは車道や階段、人通りの多い場所から離すなど、安全を確保しましょう。そのうえで、少し離れたところで落ち着くのを待つのも一つの方法です。落ち着いたら「よく気持ちを切り替えられたね」と声をかけてあげてください。
イライラしたときの気持ちの切り替え方
声かけのコツを知っていても、余裕がないときはうまくいかないものです。ここでは、お金をかけずにできるママ自身の切り替え方を紹介します。
その場を少し離れて深呼吸
カッとなりそうなときは、子どもの安全を確保したうえで、その場を少し離れてみましょう。ゆっくり息を吐く、水を一杯飲む、窓を開けて外の空気を吸う。ほんの数十秒でも、気持ちが少し落ち着きやすくなります。
「イヤイヤが起きやすい場面」を減らす
イヤイヤは、眠い・おなかがすいた・急かされているときに起こりやすい傾向があります。朝の支度は前の晩に服を選んでおく、出かける前に小さなおやつを用意しておくなど、ぶつかりやすい場面をあらかじめ減らしておくと、ママの負担も軽くなります。
家事は思い切って手放す
イヤイヤ期の間は、家事の完璧さよりもママの体力を優先して大丈夫です。夕飯は品数を減らす、掃除は週末にまとめるなど、「今日はここまででいい」と決めてしまいましょう。
一人で抱えず頼れる先を持っておく
イヤイヤ期は、ママ一人でがんばるものではありません。パートナーや家族と「今日は疲れたから寝かしつけをお願い」と具体的に頼むこと、一時保育やファミリー・サポートなど地域のサービスを使うことも、立派な子育ての工夫です。
また、かんしゃくがとても激しい、言葉の発達が気になるなど、心配なことがあるときは、かかりつけの小児科や通っている園、自治体の子育て相談窓口に相談してみてください。イライラが止まらない、眠れない、気分の落ち込みが続くなど、ママ自身の心や体の不調を感じるときは、医療機関や自治体の相談窓口を頼ってくださいね。
まとめ:まずはこれだけ試してみて
イヤイヤ期にイライラしたり、疲れたと感じたりするのは、ママががんばっている証拠です。全部を完璧にこなそうとせず、できそうなことから取り入れてみてください。
まずはこの3つから
- 「〜したかったんだね」と気持ちを言葉にしてあげる
- 「どっちにする?」と小さな選択を任せる
- イライラしたら安全を確保して、少しその場を離れる
がまんしすぎず、ときには周りに頼りながら、イヤイヤ期を親子で乗り切っていきましょう。この時期は永遠には続きません。今日できたことを、どうか自分でほめてあげてくださいね。
