毎晩の寝かしつけ。早く寝てほしいのに、子どもはなかなか目を閉じてくれない。気づけば心の中でため息をついて、そんな自分にまた落ち込んでしまう。そんな夜を過ごしているママは、とても多いです。この記事では、寝かしつけでイライラしたり、辛いと感じたりするときに、気持ちを少し軽くする考え方と工夫を、保育士の視点からお伝えします。
こんなことで困っていませんか?
- 寝かしつけの時間になると、どうしてもイライラしてしまう
- ワンオペで毎晩寝かしつけるのが辛い
- 寝ない子どもに強い口調になってしまい、あとで自己嫌悪になる
- パパに寝かしつけを頼みたいけれど、うまくいかない
保育士として10年以上、たくさんの子どもたちのお昼寝に付き添ってきましたが、子どもを眠りに誘うのは、プロでも思いどおりにいかないことが多い仕事です。だからこそ、寝かしつけでイライラするのは、あなたの心が狭いからではありません。一日の終わりで、いちばん疲れている時間に、思いどおりにならないことをしているのですから、イライラして当然です。我慢して笑顔をつくるより、「イライラしにくい仕組み」をつくるほうが、ママも子どももラクになります。
寝かしつけでイライラ・辛いと感じるのは、あなたのせいではない
まずは、なぜ寝かしつけの時間にイライラしやすいのかを知っておきましょう。理由がわかるだけでも、「私がダメなんだ」と自分を責める気持ちが少し和らぎます。
一日の疲れがいちばんたまっている時間だから
寝かしつけの時間は、仕事や家事、育児をひととおり終えたあとです。体も頭も疲れきっていて、気持ちの余裕がいちばん少ない時間帯です。昼間なら笑って流せることも、夜になるとがまんできなくなるのは自然なことです。
「このあとやること」が頭にあるから
洗い物、洗濯、明日の準備、自分のお風呂。寝かしつけのあとにやることが残っていると、「早く寝て」という焦りが強くなります。焦りは子どもにも伝わりやすく、かえって目がさえてしまうこともあります。
子どもが寝ないのは、成長の一部でもあるから
1歳ごろからは、体力がついてきたり、「もっと遊びたい」という気持ちが強くなったりして、すんなり眠らない日が増えることがあります。2〜3歳になると、自分の気持ちを主張する力も育ってきます。寝ないのはママのやり方が悪いのではなく、子どもが育っているサインでもあるのです。
保育園のお昼寝でも、すぐ眠る子もいれば、ずっとごろごろしている子もいます。保育士は「全員を同じ時間に眠らせる」ことより、「体を休める時間にする」ことを大切にしています。
お金をかけずにできる、イライラを軽くする工夫
ここからは、今日からすぐに試せる工夫を紹介します。どれも道具はいりません。全部やろうとせず、できそうなものを1つ選んでみてください。
「寝かせる時間」ではなく「横になる時間」と考える
「寝かせなきゃ」と思うと、寝ない時間がすべて失敗のように感じてしまいます。そこで、ゴールを「眠らせること」から「部屋を暗くして、一緒に横になること」に変えてみましょう。横になれたらそれで合格。眠るかどうかは子ども次第、と考えるだけで、気持ちがぐっとラクになります。
時計を見すぎない
「もう30分たった」「あと何分で寝るの」と時計を何度も見ると、イライラが大きくなりがちです。寝室では時計やスマホを見えない場所に置いてみるのも一つの方法です。時間を気にしない分、ママの呼吸もゆっくりになり、子どもも落ち着きやすくなります。
イライラしたら、安全を確保して少し離れてもいい
どうしても気持ちが高ぶったときは、数分だけその場を離れて、深呼吸をしたり水を飲んだりしてかまいません。赤ちゃんの場合は、柵のあるベビーベッドなど安全な場所に仰向けで寝かせ、顔の周りにやわらかい布団やぬいぐるみがないことを確認してから離れましょう。少し泣かせてしまっても、強い口調でぶつかるより、ママが落ち着いてから戻るほうが、お互いにとってやさしい選択です。
完璧な入眠ルーティンを目指さない
絵本は3冊、歌は2曲、と決めごとを増やしすぎると、守れなかったときにまたイライラの種になります。「部屋を暗くする」「おやすみを言う」くらいのゆるい流れで十分です。疲れている日は絵本をお休みしても大丈夫です。
| こんなときは | すぐにできること |
|---|---|
| 声が大きくなりそう | 声を出す前に、ゆっくり3回深呼吸する |
| 時間が気になって焦る | 時計やスマホを見えない場所に置く |
| このあとの家事が気になる | 「今日はやらないこと」を1つ決めておく |
| どうしても限界 | 安全を確認して、数分だけ部屋を出る |
ワンオペの寝かしつけが辛いときに
毎晩ひとりで寝かしつけをしていると、心も体もすり減っていきます。ワンオペが続くときは、寝かしつけそのものより、寝かしつけの「前と後」を軽くすることを考えてみましょう。
寝かしつけのあとに家事を残さない工夫
「寝たらあれをやらなきゃ」という気持ちが焦りを生みます。洗い物は翌朝に回す、洗濯物はたたまずにかごに入れておくなど、夜にやる家事を思いきって減らしてみてください。家事は後回しにしても、誰も困りません。
一緒に寝てしまってもいい
寝かしつけ中にママも眠ってしまうことに、罪悪感を持つ必要はありません。ママの睡眠も、子どもの睡眠と同じくらい大切です。「今日は一緒に寝る日」と決めてしまうと、焦りがなくなり、子どもも安心して眠りやすくなることがあります。
きょうだいがいるときは、順番より安全を優先
上の子と下の子を同時に寝かしつけるのは、本当に大変です。全員を同じ時間に眠らせようとせず、まず小さい子の安全を確保し、上の子には「静かに横になっていてね」とお願いするなど、できる範囲で十分です。
保育園でも、お昼寝の時間は保育士にとって緊張と疲れがたまる時間です。複数の大人で交代しながら見守るのが普通なので、ひとりで毎晩こなしているママは、それだけで本当にすごいことをしていますよ。
パパに寝かしつけをお願いするときのコツ
「パパだと泣いてしまう」「結局ママが呼ばれる」という声もよく聞きます。それでも、寝かしつけを分担できる人がいるのは大きな支えです。うまくいくためのポイントを押さえておきましょう。
最初は泣いてもいい、と決めておく
いつもと違う人が寝かしつけると、子どもが泣くのは自然なことです。最初の数回はうまくいかなくて当たり前、と家族で共有しておくと、パパも続けやすくなります。泣き声が聞こえても、ママはできるだけ別の部屋で休んでいましょう。
やり方はパパに任せる
ママと同じやり方でなくても大丈夫です。抱っこでも、横でとんとんでも、パパなりの方法で子どもが安心できれば十分。細かく口を出したくなる気持ちはぐっとこらえて、任せることも大切です。
担当の日を決めておく
「できるときにお願い」ではなく、「水曜と週末はパパの担当」など曜日を決めておくと、ママも確実に休める日ができます。休める日があると思うだけで、ほかの日のイライラも少し和らぎます。
辛さが続くときは、ひとりで抱えずに相談を
寝かしつけのたびに涙が出る、夜になると気分が落ち込む、ママ自身が眠れない日が続く。そんなときは、心と体が休息を必要としているサインかもしれません。産後の体や心の不調は、産婦人科や心療内科などの医療機関、自治体の保健センターや子育ての相談窓口で相談できます。
また、子どもがなかなか眠らない、夜中に何度も起きて泣く、といった眠りの様子が気になるときは、かかりつけの小児科や通っている園に相談してみてください。「こんなことで相談していいのかな」と思うことでも、遠慮はいりません。
保育園に通っているなら、お昼寝の様子を先生に聞いてみるのもおすすめです。園での眠り方がわかると、家での寝かしつけのヒントが見つかることもありますよ。
まとめ:まずはこれだけ試してみて
寝かしつけでイライラしたり、辛いと感じたりするのは、ママが一日をがんばってきた証拠です。自分を責めるより、イライラしにくい工夫を少しずつ取り入れていきましょう。
まずはこの3つから
- ゴールを「眠らせる」から「一緒に横になる」に変える
- 寝かしつけのあとにやる家事を1つ減らす
- 限界のときは安全を確認して、数分だけその場を離れる
がまんしすぎず、ママが少しでもラクになる方法を選んでくださいね。眠らない夜があっても大丈夫。ママが穏やかでいられることが、子どもにとってもいちばんの安心につながります。
